8月22日、蒲刈で日本宇宙少年団呉やまと分団の夏期合宿があり、副分団長の私も、参加させて頂きました。この日にグライダーの体験搭乗(滑走)が有ったからです。
この行事は、西日本航空協会前田会長、日本宇宙少年団福岡分団麻生分団長などのご協力で実現したもので、前田健会長が製作した、複葉プライマリー・グライダー使わせて頂いたものです。
昆虫から宇宙船まで、空飛ぶものは何でも好きな私としては、是非参加したかったのです。以前、娘が高校の時、物理の体験授業で、順番に複座のソアラーに一人ずつ乗って、体験飛行した時の話を聞いて、羨ましくて仕方なかったのです。よし、これで娘と張り合える・・と、妙な張り切り方で出かけました。
県民の浜蒲刈海水浴場隣接のグラウンドで準備された機体は、コンパクトですが、綺麗に纏まったデザインで、発達初期の複葉飛行機が好きな私は、期待が膨らみました。データ上は、搭載重量80キロですから、自慢にはなりませんが、私にバラストは要りません。
動力は、昔ながらのゴムパチンコ式です。左右に4〜5人がついて、15〜20歩引いて、レリーズします。数回専門の方がためして、最初に私が搭乗させて貰いました、まあ、安全テストのダミー人形の様な気分で乗り込みました。フットバーも操縦桿も、少しの遊びもなく、スムーズに補助翼や昇降舵を動かします。
張り切っていると、ゴムが引かれ、ポンとストッパーが外され、滑走が始まります。いきなり機体が左右にブレ、教わったように操縦桿で修正・・と思った頃には、行き足が止まっていました。正確には、滑走体験、一瞬浮いた気がした程度でしたが、実に楽しい体験でした。あと、団員が順番に搭乗し、無事に終わりました。
戦前は、航空教育として、模型飛行機の製作や、グライダー訓練が奨励されていたために、文部省式という型式のグライダーもあり、また、グライダーに関する本や写真集が割合に出版されていました。残念ながら、戦後はこういった出版物は僅かしか見かけません。しかし、今はハング・グライダーであったり、小型エンジンに良いものがあるので、ウルトラ・ライトプレーンの形で発達しているのだと思います。それでも、やはり、ソアラーを頂点とした本式のグライダーには、翼で飛ぶという、航空機の原点を見る思いがします。今や宇宙に進出した人類が、空に飛び上がった第一歩も、こんなグライダーや、気球だったのです。
グライダーを見ていると、子供の頃、一生懸命作った、グライダーや、プロペラをゴム動力で回す模型飛行機を思い出しました。ローソクで竹ヒゴを炙って、翼の先端の丸みを出すのが難しく、なかなか図面通りの形にならなかったものです。中学の頃からは、段々スケールモデルに興味が移り、50分の1で、かなり沢山のソリッドモデルを作りました。今でも40年以上前に作ったソリッドモデルの破損機が残っていますが、また飛行機模型を作ってみたい気持ちになりました。
やっと飛んだような初期の飛行機も、超音速の最新鋭機も、それぞれに美しいのは、どれもがその開発の時点では、関係者が全力を投じて作り上げたからだと思います。