館長ノートが中断して長いために、サボってないで続きを書いてください。とよく言われます。私の生来ののんびりした性格がいけないのですが、今回の長門にまつわる企画展を機会に、また継続することにしました。そして準備を進めていた時、先月の土砂災害に会ったのです。大和ミュージアムとしても、呉市全体が陸の孤島となると言うことは予想もしなかった大きな災害で、対応には苦労しましたが、多くの方々から、大和ミュージアムは大丈夫ですか、と連絡を頂き、この状況を乗り越える力になりました。本当に、呉市と大和ミュージアムを心配してくださる方の気持ちには、有り難く感謝しています。

 そのような中、フィリピンで戦艦「武蔵」を発見し、貴重な映像を撮影した、アメリカのポールアレン財団の調査船「ペトレル」が沖縄に来航し、沖縄から大和ミュージアムに激励のビデオメッセージを送ってくれました。彼等には、この春に会って、フィリピンで撮影した「武蔵」の映像のほか、戦艦「扶桑」、「山城」他、多くの画像データの提供を受け、現在大和ミュージアム館内では、「武蔵」の砲塔周辺の映像を流しています。彼等は、レイテ沖海戦で沈んだ日米の全ての艦船の調査を目指しているという事でしたが、私に、戸高さんはどんな船を調べて欲しいですか、との言葉に、大和型戦艦の3番艦として起工しながら、航空母艦に改造された「信濃」をお願いしたいです。と言うと、調査計画のノートを開いて、予定は入れていますよ、ただ、あそこは深いですね。と事前調査もしていました。いずれ、「信濃」の姿を見ることが出来るかもしれないと思うと、嬉しくなりました。今呉市は大変な状況ですが、一日も早い復興を目指し、今回の企画展、またその後も次々と新しい企画を皆さんに見てもらえるように頑張っています。ビデオメッセージは、ホームページから見てください。

 写真は成田で会った時のもので、左がロバート・クラフトさん、プログラムディレクター。右がポール・メイヤーさん、リサーチャーで機材のオペレーターです。今回ホームページにアップさせて頂いたビデオメッセージのお二人です。海底調査の興味ある話を聞かせてもらって、楽しい一日でした。念のために書き添えると、私は、会話は全然だめで、楽しい話は、彼らの仕事を手伝っている、伊藤夏子さんの上手な通訳のおかげです。今回のメッセージの字幕も、伊藤さんが付けてくださいました。しみじみと、大和ミュージアムが沢山の方のご支援で成り立っていることを感じました。みなさん、ありがとうございます。

 そして、お約束の館長ノートは、間もなく再開しますので、お待ちください。