日露戦争後、欧米列強に日本が加わり、太平洋と東アジアの海軍力のバランスは大きく変化しました。このような中、大正2(1913)年、新鋭の巡洋戦艦「金剛」は、イギリスのヴィッカーズ社バロー造船所で竣工しました。日本が外国に主力艦として発注した最後の艦船です。
大正3(1914)年、第一次世界大戦が始まりましたが、この大戦では、のちの総力戦体制の出現と建艦競争が激化し、列強の軍備の拡張はますます進んでいきました。こうした状況のもと、大正11(1922)年に「軍縮会議」が、ワシントンD.C.で開催されました。日本もこの会議に参加し、「ワシントン海軍軍縮条約」を締結しました。軍縮期、条約による戦艦の保有量と建造制限が厳しい状況下、日本海軍は優秀な「条約型艦艇」の建造を行っていきました。
平成25(2013)年は、戦艦「金剛」の竣工から100年にあたります。ワシントン海軍軍縮条約で艦齢20年以上に達した戦艦は、代艦の建造が可能という規定から、まもなく艦齢20年をむかえようとする戦艦「金剛」は、それに該当するため代艦計画が行われました。ロンドン海軍軍縮条約の締結により、この計画は中止となりましたが、「金剛代艦」案は、後の大和型戦艦に影響を与えました。
昭和11年(1936)年、第2次ロンドン海軍軍縮会議を脱退した日本は、軍縮時代に終わりを告げ、すでに検討中であった新型戦艦建造の計画に取りかかりました。
そして、昭和12年8月21日、大艦巨砲主義の象徴である戦艦「大和」の建造命令は下されました。
本特別企画展は、「戦艦「大和」が何故計画されたのか?建造にはどのような当時の科学技術が結集されたのか?どのようにして造られたのか?さらに現代の私たちへ残されたメッセージとは何か?」を、様々な視点で読み解くためのヒントとしてご提供いたします。
ご来館の皆さまの興味関心を触発する特別企画展であるものと関係者一同、こころよりご来場いただきますよう、ご案内いたします。
呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)
館長 戸髙一成
会場
大和ミュージアム1階 大和ホール
期間
平成25(2013)年7月1日(月) 〜 平成26(2014)年1月27日(月) 5月11日(日)
※好評につき期間再延長が決定致しました。
休館日
毎週火曜日(祝日の場合は翌日) 2月17日~21日休館、4月29日~5月6日は開館、5月7日休館
入館料
一般(大学生以上) | 400円(800円) |
※( )内料金は常設展示とのセット料金
※呉市内在住、在学の高校生以下は無料
|
---|---|---|
高校生 | 300円(500円) | |
小・中学生 | 200円(300円) |
主催
呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)
協力
株式会社IHI呉事業所 海上自衛隊呉地方総監部 海上自衛隊第1術科学校 海上保安大学校 株式会社唐津鐵工所 株式会社きしろ 小高正稔・寺西英之 ジャパンマリンユナイテッド株式会社呉事業所 株式会社ニコン 株式会社日本製鋼所室蘭製作所 バブコック日立株式会社
問い合わせ
〒737-0029
広島県呉市宝町5-20 呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)
TEL 0823-25-3017 / FAX 0823-23-7400
http://www.yamato-museum.com/