【日時】平成30年12月16日(日)

【場所】大和ミュージアム 4階 会議室

【参加者】市内外小学3年生以上 20人

▲「地球を精密検査するのが観測衛星の役割」と大木研究員

  7月の豪雨災害から約5カ月。 私たち市民は、土砂の撤去、被災者支援、道路交通網の復旧などに対し、自衛隊・国・県など行政機関、企業、約4万人にのぼる全国からのボランティア、災害支援金など、多くのご支援をいただきました。

 当初は、復旧に時間がかかるといわれていたJR、国道、県道など、主要な道路は、今はほぼ復旧し、見た目には、あの日の出来事が過去のものになろうとしています。

 しかし、今も市内各所に積み上げられた大きな土のう袋、被災した家、道路脇まで流れてきた木の根を見るたび、被害の大きさを痛感し、私たち市民は、この災害を決して過去のものとせず、今後の呉のまちづくり、災害に強いまちづくりにいかすことを、今まさに誓うところです。

 今回のコズミックカレッジは、JAXA(宇宙航空開発機構)、日本宇宙少年団 呉やまと分団にご協力をいただき、宇宙から7月豪雨災害を見つめることで、防災・減災について考えるきっかけとなりました。

▲参加者地震が衛星データを分析

 JAXA地球観測研究センターの大木真人研究員に、災害時、地球観測衛星がどのような役割を果たしているのかをお話しいただくともに、分析ソフト「EISEI」などを利用し、7月のあの日、地球の周りを回っていた観測衛星が私たちのまちをどのようにとらえていたのかを参加者全員で分析していきました。

※ 衛星データ分析ソフトEISEIや衛星データなどは、次のURLからダウンロードできます。
(公財)日本宇宙少年団 衛星データ関係 ダウンロードサイト https://yac-j.or.jp/eisei/yamato/

●光学系のセンサー搭載人工衛星「センチネル2」の観測データをフォルスカラーで表示

▲フォルスカラー画像では、植物が元気に育っているほど、赤が濃くなります。災害後は、白くなった部分が多く、土砂が崩壊した箇所がはっきりと分かります。

●「センチネル2」の観測データをナチュラルカラーで比較

▲通常、ナチュラルカラー画像は、水域が黒くみえますが、災害後は、河川などが泥水で汚れていたため、黒くみえていません。

●国土地理院 崩壊地等分布図 斜面崩壊とハザードマップで被害が想定された区域

▲10月21日センチネル2(トゥルーカラー画像)では、野呂山登山道の「かえで橋」から二級水源地付近までの大規模な土石流が確認できます。これに、ハザードマップ、国土地理院調査斜面崩壊視点を重ね合わせると、ハザードマップで被害が想定された地域と合致することがわかります。

地球観測衛星がとらえたデータなどを活用し、さまざまな視点から、参加者自身で分析することで、今回の豪雨災害の甚大さを痛感するとともに、土砂災害ハザードマップの重要性をあらためて認識、日頃から家庭内で災害について語り合うきっかけづくりの会とすることができました。