5月12日(月)、大和ミュージアムサテライトの来館者が5万人に達したことを受けて、5万人目のお客様に5万人目の認定証と記念品を贈る、記念式典を行いました。
2月下旬に開館してから約2ヶ月での達成は、有難いことと思いました。
5万人目のお客様は、東京からお越しになられたお客様でした。
大和ミュージアムサテライトは、大和ミュージアムの20年にわたる経験を生かして行っているリニューアル工事のために、休館している大和ミュージアムを代替する展示室として設置されました。
工事期間中だけの期間限定の施設なので、色々伝えたいことを十分にお伝えすることは難しいのですが、大和ミュージアムのリニューアルで展示が強化される航空機の分野に関連づけて、大正10年に設置され、航空機の研究、開発、生産を行った広工廠でも少数生産され、戦艦大和にも搭載された、零式観測機の実物大模型を中心に展示を行っています。
これまでの大和ミュージアムで主に展示していた、明治以来の呉の歴史の中心的な存在である呉海軍工廠と造船の歴史と同じように、広工廠では航空機の研究が早い時期から実施されていたことを思うと、呉という地域が、日本でも有数の造船技術、航空技術の先端的研究を行っていた地域であることがわかります。研究、開発という事業は、結果の見えないテーマに多額の研究費を投入する必要があるために、民間ではなかなか思い切った研究ができない場合が多いのですが、海軍ではこのような基礎的な研究に予算を投じ、後に成果を民間に提供してゆくというスタイルで、民間の企業を育成していたとも言えます。
特に広工廠で研究されていた飛行艇、水上機は、後に川西航空機の二式大型飛行艇や愛知の零式三座水偵などの傑作機を生みました。その技術の流れは、現在も海上自衛隊の大型救難飛行艇に受け継がれていることを思うと、歴史の面白さ奥深さを感じます。
大和ミュージアムサテライトは元々の大和ミュージアムと比べると決して大きくない展示施設であるために、「これだけですか!」と残念に思われる方もいらっしゃるとは思いますが、この小さな大和ミュージアムサテライトが、来年春にはリニューアルオープンする新・大和ミュージアムへと繋がる大切なストーリーを担う施設として見て頂ければと思っています。