リニューアルの概要

リニューアル基本方針

大和ミュージアムの施設課題、展示課題を踏まえた、リニューアルの基本方針

観覧環境の充実

館内導線の再検討や、ユニバーサルデザインの導入(ハード面、ソフト面[デジタル技術など])、空調やトイレの改善など、観覧環境の充実を図る。

収蔵・展示機能の充実

公開型大型資料収蔵庫の整備や周辺施設との機能分担など、収蔵・展示機能の充実を図る。

デジタル技術の活用

国が目指すSociety5.0の社会を見据え、最新のデジタル技術を活用する。資料のデジタルアーカイブスを充実させ国内外に公開するとともに、館内案内や展示資料解説の多言語化、デジタルサイネージ、AR等の整備などでユニバーサルデザインへの対応を図る。

呉の歴史から産業技術・科学技術の素晴らしさとともに平和の大切さを伝える

日本の近代化を支えた呉のものづくりの歴史と、その礎となった科学技術の素晴らしさを伝えるとともに、戦争の悲惨さ、平和の大切さを伝える。

社会的・地域的課題に対応する博物館

地域のまちづくりや産業活性化、地球温暖化対策(カーボンニュートラル等)やSDGsなど、社会的・地域的課題に対応するとともに、館内のこうした取組を公表するなど、発展に寄与する博物館を目指す。

施設規模

構造・規模鉄骨鉄筋コンクリート造、
一部鉄骨造・鉄筋コンクリート造
4階建て
敷地面積10,334㎡
建築面積4,818㎡
延床面積9,628.33㎡
展示面積3,375㎡
ショップ棟面積150.36㎡

※ミュージアムショップ棟を屋外レンガパークに建設します。

主な諸室・機能

1 階 エントランス/大和ひろば/呉の歴史展示室/大型資料展示室/大和ホール
2 階 展示デッキ/事務室・館長室
3 階 科学技術展示室/多目的ホール/実験工作室
4 階 ライブラリー/市民ギャラリー/会議室・研修室/研究室/資料室/書庫
屋外 駐車場/屋外実物資料/屋外レンガパーク

※3階「船をつくる技術」展示室は「科学技術」展示室に、大和シアターは多目的ホールに改修します。

施設改修

令和4年4月に策定した「呉市海事歴史科学館リニューアル基本計画」において定める「観覧環境の充実」、「社会的・地域的課題に対応する博物館」等の施設改修に係る基本方針に基づき、来館者の快適性や安全性の確保のため、エントランスホールの刷新や空調設備の改修、既存不適格部分の解消、経年劣化している部分の改修等について設計の詳細化を行いました。

エントランスホールの刷新

エントランスの混雑解消のため、ミュージアムショップを屋外レンガパークに移設し、博物館にふさわしいエントランスとなるよう機能を再編します。総合受付を、エントランス正面に設置し、背面には来館者が展示室への期待を膨らませることができる演出として、企画展、館内の紹介等のインフォメーションを上映する大型LEDビジョンを設置します。また、館内案内用のデジタルサイネージや、授乳室・救護室を設置するなど、来館者の利便性を向上させます。

ミュージアムショップ棟の建設

ミュージアムショップ棟

ミュージアムショップ棟

ミュージアムショップ棟は周辺環境に調和したデザインとし、ミュージアムショップのほかに、多言語に対応したチケット売場や観光案内コーナーを併設することで、来館者の利便性を向上させます。

2階展示デッキの活用

地元企業や地域の大学・研究機関が、技術の紹介や研究内容、取り組み等を来館者に紹介し、地域の活性化や新たな産業を創り出す場を提供します。

大和シアターから多目的ホールへ改修

現在、大和の潜水調査の映像を上映している3階の大和シアターのスクリーンや固定椅子を撤去し、200人程度が利用可能な多目的スペースとして整備します。これにより、映像上映だけではなく、展示室や講演会場、中規模の会議室など、幅広い用途による利用が可能になります。

空調設備改修

混雑時に求められる温熱環境、空気質環境を確実に保持するため、換気や空調能力を増強します。また、省エネルギー等の側面から効率の良い機器に更新します。

トイレ改修

トイレブースを増設し、和式便器を洋式便器に改修します。また、トイレ内の通路を拡張して、快適化を図ります。

既存不適格部分の改修

建築基準法(昭和25年法律第201号)の改正により既存不適格となった設備の改修を行います。

エレベーター

国が定める技術基準に基づく耐震対策及び閉じ込め等の事故防止に係る改修を行います。

エスカレーター

地震等の振動による脱落を防止するための改修を行います。

特定天井

地震等の振動による脱落を防止するため、建築基準法に適合する耐震天井に改修します。

カーボンニュートラルへの対応

社会的・地域的課題となっているカーボンニュートラルの実現に取り組みます。

照明のLED化

CO2排出量の削減のため、全ての照明をLEDに更新します。

太陽光発電・設備の改修

4階に設置している太陽光パネルを高効率機器に更新して発電能力を向上させるとともに、現在、発電量だけを表示している表示板を、再生可能エネルギー普及の取組を紹介する液晶パネルに交換します。

経年劣化施設の改修

開館から18年が経過し、経年劣化している部分の改修を行います。

  • 外壁・内壁タイルの補修
  • 防犯カメラ設備の更新
  • 給排水設備の改修
  • 火災報知器の更新 など
  • 受変電設備の更新

展示改修

観覧環境・展示内容の充実

ユニバーサルデザインの取組や、より多くの資料を公開する展示機能の強化、デジタルコンテンツやハンズオン展示を拡充することで、来館者の誰もが体験を通じて、気づきや発見ができる展示に更新します。

ユニバーサルデザインの取組

  • 誰もが資料を近くで観賞できるように展示什器を入替え、観覧環境を改善します。
  • グラフィックの解説やサインのフォントはユニバーサルデザインに配慮した読みやすい文字を使用します。また、文字の大きさや行間等も適切に設定します。
  • 展示解説用にスマートフォン向けWEBサイトを開設します。日本語、英語、繁体中文、韓国語の4カ国のテキストと音声で情報を提供します。

展示機能の強化

  • ウォールケースを導入し、大型の資料を公開できるスペースを創出します。
  • 既存の壁面展示を刷新します。パネルだけではなく、図面や実物資料を展示できる棚を設けます。

デジタルコンテンツの充実

  • 戦艦「大和」図面アーカイブ、乗組員戦没者名簿など、戦艦「大和」コーナーのデジタルコンテンツを拡充します。
  • 大型のシアターを設置するなど、映像展示を拡充します。
  • アーカイブスをネットワークで接続し、一元管理するシステムを構築します。

ハンズオン展示

  • 実物資料に触れることで、本物の質感・重量感を体感できる展示を導入します。
  • 誰もが体験を通じて気づきや発見ができる触知模型の展示を実施します。

1階呉の歴史展示室

現代の呉に至る通史展示を拡充し、解説テキストを分かりやすいものに見直すとともに、デジタル技術を用いて、戦後復興の展示コンテンツの拡充を図ります。また、展示環境を向上させるため、電子機器を一新し、照明のLED化やユニバーサルデザインに配慮した展示ケースに更新します。

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3階科学技術展示室

ものづくりの地である呉の歴史を踏まえ、呉海軍工廠及び広海軍工廠で培われた技術、現在に引き継がれている技術及び新たに加わった技術について学ぶという観点から、関連する実物資料を展示します。

また、貴重な実物資料等を生かした体験装置を導入し、技術の原理やしくみを楽しみながら学ぶことができる展示室へと刷新します。

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詳細資料ダウンロード

詳細な資料は以下リンクよりダウンロードしてご覧ください。